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About West Coast Swing

West Coast Swingの音楽について

先日、プライベートレッスンでWest Coast Swingの曲について踊れる曲と踊れない曲の違いがよく分からないという話が出たのですが、『今度説明するね』って言ったっきりだったので、せっかくなのでここでちょっと説明させてもらおうと思います。

たとえば、Salsa(Mambo)というダンスはSalsaという音楽で踊る、また、タンゴはタンゴというように分かりやすければいいのですが、West Coast SwingはWest Coast Swingという音楽がある訳ではないので曲の選び方がちょっと難しいかもしれませんね。

幅広い音楽で踊れるといわれるWCSですが、実はなんでもかんでも踊れる訳ではありません。

まず、WCSが踊れる曲の基本の一つはSwingです。
「Swing Music」、ジャズですね、いわゆる4ビート。(4ビートとか8ビートって和製英語らしいですね、英語圏では4th note rhythm、または4th note feelと言うらしいですが)
WCSは1940年代にリンディーホップから発生したという説もあるようです。
West Coast Swingというくらいなので Swing Dance の一種で、ジルバ、リンディーホップなどの仲間なので当然Swing Jazzですね。
ということで、まずはSwing Jazz、(4ビート)です。

Moonglow / Janet Seidel
https://www.youtube.com/watch?v=tZTARUuVOSw
Lovers, Secrets, Lies / Peter Cincotti
https://www.youtube.com/watch?v=8tH-SZzz3LM

次にシャッフルのリズム。
よくBluesなどで聞く3連のニュアンスを感じるリズムですね。
3連といっても6/8拍子、ロッカバラードといわれてるリズムではないので、気を付けて下さいね。これでは踊れないので。

シャッフル系の曲は、たとえばこんな感じ。
Etta James / Baby What You Want Me To Do
https://www.youtube.com/watch?v=5m-a00sSkzY
Coco Montoya / Back In A Cadillac
https://www.youtube.com/watch?v=W-CUI96RSSg
Alva's Baby's Blues / Ray Sharpe
https://www.youtube.com/watch?v=ayb69fNCNT8

シャッフルについてはこちらをチェック

そして、このシャッフルのリズムのはねた感じを抑えたリズム。
EvenとかStraight Noteとか呼ばれているようです。簡単に言うと8ビートっていうことですね、Rock Beatなんていう言い方もあるようですが。
これはWest Coast Swingが他のSwing Danceと違う一番の特徴で、他のSwing Danceはバウンス、膝を曲げる方にアクセントを置く感じで踊るのに対してWCSは決して上下に跳ねない、逆に膝を伸ばす方にアクセントを置くという独特の踊りのスタイルにも関係しているんじゃないかと思います。

Knock On Wood / Eddie Floyd
https://www.youtube.com/watch?v=Kceiks__PsE
Sign Your Name / Sheryl Crow
https://www.youtube.com/watch?v=3t3RHaDogHY

ドラムのバスドラとスネアなどの「ドン タン ドンドン タン」という、2拍目と4拍目のアクセント(バックビート)がWCSのステップの「ウォーク、ウォーク、トリプルステップ」と重なることもWCSが8ビートに合う理由の一つだと思います。

また、Swing Jazz、シャッフルもそうですね、跳ねたリズムになっていますが、やはりシンバルレガートやバックビートなどが「ウォーク、ウォーク」や「トリプルステップ、トリプルステップ」と重なるので音楽に乗れる訳なんですね。

WCSに使える曲の”基本のリズム”は以上の3つです。

このリズムの要素を感じる曲であれば、新しい曲、古い曲は関係ありません。40年代、50年代のジャズ、ブルース、ロックンロールなどから、現在のヒットチャートの曲まで、幅広いジャンルと年代の曲で踊れます。

WCSが踊れる曲はすべて基本のリズム(スウィング、シャッフル、8ビート)のどれかに当てはまっている、または曲の中にそのリズムを感じる曲になっています。
また、その基本のリズムではない曲、またはそのリズムを感じにくい曲はWCSには適していない曲といえるでしょう。

ところで、曲の早さはというと、一般的にはBPM で80~120くらいの間で選ばれています。
特に初心者の方などは80~100くらいのゆったりした早さが練習にもいいと思います。

スウィング(4ビート)や8ビートはOK、6/8拍子は合わないということなら、「じゃ、16ビートはどうなんだ」という事になると思うんですが、実はこの8ビート、16ビートという分け方がくせ者で、60年代頃にJames Brownに代表されるようなFunk Beatなんていうものが発明(?)されて以来、16ビートっぽい8ビートなのか、8ビートっぽい16ビートなのか、今ではさらに複雑なリズムの曲も多く、その境目が分からなくなってきているようです。

たとえばこんな曲はどうでしょうか。
Runaway(feat. Loletta Holloway) / The Salsoul Orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=LuAcU3pQ_7Y
In The Stone / Earth, Wind & Fire
https://www.youtube.com/watch?v=6Z2xClustQo
Dancing Queen / ABBA
https://www.youtube.com/watch?v=xFrGuyw1V8s

これらは16ビートを感じるリズムの曲ですね。
70's~80'sのDisco Music。
これらはどちらかというとHustleというダンスに合うリズムです。
Hustleはもともと1970年代にラテン系の人たちがDiscoでサルサのようにペアダンスを踊りたいというところから始ったという説があるように、この70's~80'sのDisco Musicのためのダンスのようなもので、これらの曲がHustleにハマるのは当然ですね。
これらの曲は流れるようなDisco Beatなんです。
ハッスルの踊りの特徴は "flow" 、ステップも「 &,1,2,3 &,1,2,3…」というリズムで滑らかに流れて行くような踊りです。
8ビートの要素の「ドン タン ドンドン タン」というリズムが強調されていないんです。

でもこんな曲はどうでしょうか。
Slick / Eric Darius
https://www.youtube.com/watch?v=ZjLW3Rn0xyA
Shout / Ray Charles & Patti Labelle
https://www.youtube.com/watch?v=6XT69bOd3Ys
Blood On The Dance Floor / Michael Jackson
https://www.youtube.com/watch?v=c3_NntYhzV4

これも16ビートの感じがします。
だけど聞き方によっては曲の中に8ビートのニュアンスも感じませんか?
これはFunk Beat。WCSが踊れる感じがしませんか?
こういう曲調でWCSを踊る場合、自分たちは曲の中に8ビートを感じて踊っているんです。
最初の3曲の場合、8ビートの要素を感じにくい、だからWCSを踊りにくい。
あとの3曲の場合16ビートとして聴くこともできるけど、8ビートを感じることもできる、だからWCSを踊れるということなんです。

ところで、こういう曲はどうでしょうか、

Take 6 / If We Ever
https://www.youtube.com/watch?v=_pMbSvAcyow

アカペラ(無伴奏)の曲ですが、思わず一緒に指を鳴らしたくなる曲ですね、
この「指を鳴らす」ところが2拍目と4拍目のアクセント(バックビート)なんです。
これは無伴奏ですが、裏に「スウィングのリズム」が隠れているんです、なのでこれでも踊れるんですね。
こんなアカペラのようなシンプルな曲でもその曲の本質をつかめば踊れるんですね。

いかがでしょうか、なんとなく分かって頂けましたか?